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美しい庭のように老いる

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ふと書店で手に取った本。
宮迫千鶴さんの『美しい庭のように老いる』を読みました。

50代ともなれば、親の老いに直面する時期だと思いますが、
マダム・リリーも、自分の親が今まさに老年期の最後を迎えています。
そのような姿を目の当たりにすると、
人間の老いや死がどのように忍びよってきて、
どのようにそれに支配されてしまうのかを、
あくまで一つの事例ではありますが、
痛切に感じさせられます。
言葉の本当の意味で「老い」とはどういうものか、
あらがうことができないまま、示されてしまいます。

親の死は子どもに対しての最後の教育である、
ということを聞いたことがありますが、
まさにその通りだな、と思います。
自然の身体を持った存在者として、
自分も「必ず」老いて、死んでいくのだ、ということを
今までよりずっとずっとリアルに想像できます。

今生の最後は「死」であるとしても
それに至るまでをどう過ごすか。

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この本の中に、「甘く老いる」という表現がありました。

まだ自分はその領域に達していないけれども、
もしも、自分が幾分か幸せな「老い」を迎えられるならば、
「甘い」老いを生きてみたいと思わせられました。

「「甘い感じ」というのは、その女性が長い歳月の中で
大切にしてきたロマンティシズムであり、
それが老いという最終の実りの季節を迎えて、
あたかも葡萄酒のようにふくいくとした香となって
漂っている。そういう甘さなのである。」


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by gratia-lily | 2015-10-19 23:37 | ペチコートのとも
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